狂牛病
話題ですね。
我が研究所でも食堂では、すっかり牛は出ません。

日本で初めて出た時、日本の研究所は狂牛病を検出できませんでした。
日本では、狂牛病ではないと判断したのです。
検査をした動物衛生研究所は二つのミスをしていました。
1. 検査すべき部位とは違う部位を検査したこと
2. 検査時の手法をマニュアルとは違う方法を用いたこと

このようなタンパク質を検出する手法はウエスタンブロッティングとう検査方法で、僕も日常研究に用いている方法です。
この方法はきわめて検出感度のよい手法で、動物衛生研究所の研究員は、この検査の感度の良さを過信してしまったものと、僕は推測します。
上に挙げた1.のほうが大きなミスで、検査部位が違えば相当、原因のプリオンの含有量が違ったはずですから、これは責められてしかるべきです。
2.は、本来タンク式を使うように、検査キットのマニュアルにあるようですが、実際にはセミドライ式を用いたようです。タンク式の方が微妙に感度が良いようですが、実際にはセミドライの方が全然簡単で、早く感度も、そんなには変わらないはずですから、セミドライにしてしまったのはなんとなくわかりますし、僕ももっぱらセミドライを用いています。

しかし、事が事だけに、マニュアルの内容を無視してまで、簡便な方法を採り、そして検査結果を謝って発表したのは、科学者としては最低です。
国民の皆様にも、日本の技術力に対する信頼を著しく損なってしまった。
僕は、くやしくてたまらない。
結局サンプルの一部をイギリスに送って、狂牛病であることが判明したのですが、本来の方法で行っていれば十分日本でも検出できたことだし、技術的には、ヨーロッパに日本が劣るとは思えないのです。と言うよりも、一般的に生物学に関しては日本の方が優れていると私は思います。
そもそもそんなことよりも、プリオンを検出する事くらい、技術的にはなんて事なく、大学なら卒研生にもできることで、ヨーロッパと日本のどちらが優れているかというレベルの話ではないのです。

ちなみに、僕は厚生労働省の研究所でも、2年半ほど研究をしていました。
今回の対応でもわかるとおり、厚生省最低です。
やる気ありません。
何か問題が出てから対応する。と言うのが基本理念です。
たぶん理由は、「専門家が少ないから」です。
なんで、厚生行政に法科の出身の人ばかりとるのでしょうか?
東大法学部変調はやめましょうよ。
適材適所。
理系人間も、専門に固執せずに、どんどんその居場所を拡げましょうよ。
なぜ、偉い人に理系の人が少ないのでしょうか?
それが、理系の人間が正しく社会に出ていけない理由の一つでもあります。
農水など、他の省庁でも状況は同様でしょう。


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